
クルマを止める場所は「駐車場」が基本ですが、やむを得ず道路上で駐停車をしたい場合はどのような注意が必要でしょうか?
駐車や停車についてまとめてみました。
取り締まり状況
交通違反の中でも特に多いのが「駐停車違反」です。
令和5年中の「道路交通法違反の取締り状況(警察庁交通局)」によると
・駐停車禁止場所等違反 19,744件
・駐車禁止場所等違反 125,567件
・放置違反金納付命令件数※1 646,973件
で、合計すると全体の14.5%でした。
※1放置違反金納付命令
違反した運転者が警察署に出頭せず運転者への責任が追及できない場合に、車の使用者(持ち主)に対して、放置違反金の納付が命令されます。
駐車、停車の違い
クルマが道路で止まっている状態には、次のようなものがあります。
・「停止」
赤信号で停止などルールに従って止まっている状態。
・「停車」
道路でクルマが次の理由で停止すること。
1.人の乗降りのための停止(人が乗降りしている間は時間の長短に関わらず停車とみなされます。)
2.荷物の積み下ろしのための停止で5分を超えないもの(運転者がその場から離れずに積み下ろしをする場合のみ。配達などは含まれません。)
3.運転者がすぐに運転できる状態での短時間の停止
・「駐車」
停車以外のものでクルマが同じ場所に止まり続けること。(運転者が乗っているかどうかにかかわらず)
例:人待ち、荷待ち、荷物の積み下ろしで5分以上のもの、休憩など
・「放置駐車」
運転者がクルマから離れて(車が止まっている場所から見える範囲にいない)直ちに運転することができない状態のもの。時間の長短、クルマから運転者がどのくらい離れているかなどは関係ありません。
「駐車」「停車」の両方が禁止されている場所
次の場所には「駐車」「停車」ができません。
・駐停車禁止の標識、標示がある道路

・交差点内とその端から5メートル以内
・道路の曲がり角から5メートル以内
・横断歩道、自転車横断帯とその前後5メートル以内
・踏切内とその前後10メートル以内
・路面電車の軌道敷内
・坂の頂上付近と勾配の急な坂(上り下りとも)
・トンネル内
・路線バスのバス停(の看板)から10メートル以内(バスの運行時間内のみ)
・安全地帯の左側とその前後10メートル以内
道路交通法第44条
車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
一 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル
二 交差点の側端又は道路の曲がり角から五メートル以内の部分
三 横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分
四 安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
五 乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)
六 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
「駐車」が禁止されている場所
次の場所には「駐車」することはできません。(「停車」は禁止されていません。)
・駐車禁止の標識、標示のある道路

・自動車専用の出入り口から3メートル以内の場所
・道路工事区域から5メートル以内
・消防用機械器具の置き場の出入り口から5メートル以内
・消防用防火水槽から5メートル以内
・消火栓から5メートル以内
・指定消防水利の標識から5メートル以内
・火災報知器から1メートル以内(道路上からは1974年までに廃止され、現在はトンネル内などを除き設置されていません。)

道路交通法第45条1項
車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。
一 人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から三メートル以内の部分
二 道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から五メートル以内の部分
三 消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽そうの側端又はこれらの道路に接する出入口から五メートル以内の部分
四 消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置又は消防用防火水槽そうの吸水口若しくは吸管投入孔から五メートル以内の部分
五 火災報知機から一メートル以内の部分
無余地駐車の禁止
「駐車」「停車」が禁止された場所以外でも、停めたクルマの右側道路上に3.5メートル以上(標識で距離が指定されているときはその距離)の余地が取れないような狭い道路では駐車できません。
しかし、次の場合は除きます。
・荷物の積み下ろしをする場合で、運転者がすぐに運転できる場合。(時間の制限はありません。)
・傷病者の救護のため、やむを得ない場合。

道交法第45条2項
車両は、第四十七条第二項又は第三項の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に三・五メートル(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の余地がないこととなる場所においては、駐車してはならない。ただし、貨物の積卸しを行なう場合で運転者がその車両を離れないとき、若しくは運転者がその車両を離れたが直ちに運転に従事することができる状態にあるとき、又は傷病者の救護のためやむを得ないときは、この限りでない。
長時間駐車の禁止
道路交通法で駐車が禁止されていない道路でも、同じ場所に12時間(夜間は8時間)以上駐車してはいけません。
【保管場所としての道路の使用禁止】
1 何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。
2 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為
二 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為
(自動車の保管場所の確保等に関する法律 第11条)
駐車停車の方法
出来る限りほかの交通の妨げにならないような方法で駐停車しなければなりません。
・荷物の積み下ろし、人の乗降りのため停車する場合は、(ドアを開けるなど)のため必要な余地を開けて停車することができます。
・駐車する場合は道路の左端にしっかり寄せなければなりません。

道交法第47条1、2項
1 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならい。
2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
路側帯のある道路での駐停車
路側帯のある道路では路側帯の種類に応じた方法で駐停車しなければなりません
・道路標示により駐停車が禁止された路側帯(「駐停車禁止路側帯」「歩行者用路側帯」)の中に入って駐停車してはいけません。
・路側帯の幅が0.75メートル以下の場合は路側帯に入って駐停車はできません。
・路側帯の幅が0.75メートルを超える場合は路側帯の中に入り、車の左側に0.75メートル以上の余地をあけて駐停車します。
・路側帯の中に車が全部入っても左側に0.75メートル以上の余地ができる幅の広い路側帯の場合は、路側帯の白線に沿って駐停車します。


道交法第47条3項
車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
道交法施行令第14条の6
1 法第四十七条第三項の政令で定めるものは、歩行者の通行の用に供する路側帯で、幅員が〇・七五メートル以下のものとする。
2 車両は、路側帯に入つて停車し、又は駐車するときは、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める方法によらなければならない。
一 歩行者の通行の用に供する路側帯に入つて停車し、又は駐車する場合 当該路側帯を区画している道路標示と平行になり、かつ、当該車両の左側に歩行者の通行の用に供するため〇・七五メートルの余地をとること。この場合において、当該路側帯に当該車両の全部が入つた場合においてもその左側に〇・七五メートルをこえる余地をとることができるときは、当該道路標示に沿うこと。
停駐車を禁止する場所の特例

時間制限駐車区間の標識がある道路は、パーキング・メーターなどを作動させたうえで、指定された場所、時間内であれば駐車することができます。
この場合、パーキングチケット発給設備によりパーキングチケットの発給を受け、クルマの全面の見やすい場所にチケットを提示しなければなりません
なお、指定された時間を延長することはできません。
道交法第49条の3
時間制限駐車区間における車両の駐車については、第四十四条から第四十八条までの規定にかかわらず、この条から第四十九条の五までに定めるところによる。
2 車両(前条の規定により指定された道路の区間(次条において「高齢運転者等専用時間制限駐車区間」という。)にあつては、高齢運転者等標章自動車に限る。以下この条、第四十九条の六及び第百十九条の三第一項第二号において同じ。)は、時間制限駐車区間においては、当該駐車につき第四十九条第一項のパーキング・メーターが車両を感知した時又は同項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を受けた時から、それぞれ道路標識等により表示されている時間を超えて引き続き駐車してはならない。
3 車両は、時間制限駐車区間においては、駐車につき道路標識等により指定されている道路の部分及び方法でなければ、駐車してはならない。
4 車両の運転者は、時間制限駐車区間において車両を駐車したときは、政令で定めるところにより、第四十九条第一項のパーキング・メーターを直ちに作動させ、又は同項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を直ちに受けて、これを当該車両が駐車している間(当該パーキング・チケットの発給を受けた時から道路標識等により表示されている時間を経過する時までの間に限る。)、当該車両の前面の見やすい箇所に掲示しなければならない。
道交法第四十九条の四
高齢運転者等専用時間制限駐車区間においては、高齢運転者等標章自動車以外の車両は、駐車をしてはならない。
道交法第四十九条の五
警察署長が公安委員会の定めるところにより時間制限駐車区間における車両の駐車につき駐車することができる場所及び駐車の方法並びに駐車を開始することができる時刻及び駐車を終了すべき時刻を指定して許可をした場合において、当該許可に係る車両が、指定された場所及び方法で、指定された駐車を開始することができる時刻から駐車を終了すべき時刻までの間において駐車を開始したときは、当該車両及びその運転者については、前二条(第四十九条の三第一項を除く。)の規定は、適用しない。この場合において、当該車両は、当該指定された駐車を終了すべき時刻を過ぎて引き続き駐車してはならない。
道交法第四十九条の六
車両は、第四十九条の三第三項の道路標識等により車両が駐車することができる道路の部分として指定されている時間制限駐車区間の第四十四条第一項各号に掲げる道路の部分においては、同項の規定にかかわらず、停車することができる。
まとめ
駐車や停車については多くのルールがあります。特に都市部ではすべてのルールをクリアしたうえでの駐停車は至難の業と言えるでしょう。
「クルマを道路に駐停車しない。」が基本です。
そのためには、
・出かける前に目的地に駐車場があるかを調べておく。
・駐車場が混雑した場合に備えて予備の駐車場も調べておく。
・目的地に駐車場がない場合はクルマで行かない。
などの準備をしてから出発しましょう。